実は、春ごろに、あるキャンプ場でマダニにかまれました。
そして、病院へ行き切開して取る処置をしてもらいました。
幸い発熱などの症状はなく、完治しました。
マダニが多く発生するのは春から秋。
キャンプ場で過ごす時間が長いキャンパーは、気をつけなければいけません。
私たちのマダニにかまれた経験が、今後の皆さんの注意喚起になればと思い、どのように対処したのかについてまとめました。
これまで20以上の山に夫婦で登ったこともあり、ヤブ漕ぎと呼ばれるような道も歩いた経験は何度もあるのですが、それでもマダニにかまれたことはありませんでした。
こればかりは運のような気もしますが、皆さんにも、少しでも知識をもって予防に努めてほしいです。
安全にキャンプをするための知識として、最後までお読みいただければ幸いです。
- 実際にマダニにかまれたあとどうなったか
- 痛みや症状はどうだったか
- かまれたあとはどうすれば良いのか
- かかった医療費と処方された薬は何か
- なぜマダニにかまれたのかの考察
- 調べてわかったマダニの習性について
- マダニの予防策と対策について
キャンプ場でマダニにかまれた経験談
かまれていたことに気づいたのは、キャンプ場から家に帰宅後…
楽しいキャンプを終えて、車に積んでいたキャンプ道具を下ろし、ほっと一息。
お風呂に入る準備をして、鏡を見たところ…
なにか首元に「黒いもの」が付いている。
ほろっても落ちないので、鏡でそこをよく見てみるとー
虫!!!!!!!?
妻 首元に付いているマダニに気づく
1匹目のマダニ 発見
生きているかもしれないマダニが自分の首元にいるというこの状況に気づいたとき、私は、プチパニック。
自分ではよく見えない場所だったので、夫に確認してもらったところ、確かに虫。
考えられるのはマダニだ。
かみ付いているというか、皮膚に頭が刺さっている感じだと教えてくれました。
引っ張ってはいけないなら、どうする?
ほろっても簡単には離れず。つまんで軽く引っ張っても取れません。
過去に見たマダ二のニュースで、「マダニからの感染による死亡例があったこと」「引っ張った結果、頭が残ってしまったときに毒を出す」というぼんやりとした知識があったので、無理に取ることはだめだと判断。
つまり、「取れない=首元にマダニが付いたまま」の状態。
もう、私は半泣き状態です。
簡単に取れる方法はないのか!!?
引っ張ってはいけないなら、どうすれば良いの?
病院へ行かなければいけない?ということが頭をよぎりつつも、わざわざ休日の救急病院へ行かなくても済む方法はないかと、夫Keitanはネットで調べてくれました。
半泣き状態の妻を助けようと、夫が見つけた情報は、「塩攻め」。
濃い塩分に数分浸したら、かむのをやめて取れるという理論。
5分塩を患部に載せて放置してみる。
ワラにもすがる気持ちでトライしてみたものの、全く効果は見られず。
その情報は、「塩攻めによって取りました」という成功事例ではなく、お試しくださいというもの。
全く効く気配もなく、時間だけが過ぎていきます。
休日に受診できる救急病院を探す
整形外科の担当医がいないと受診できないことが判明
土日のキャンプで、帰宅したのは日曜日の昼過ぎ。
寄り道せずに、それほど遅い時間ではなかったことが良かったかもしれません。
病院へ行くしかないと思ってから、近くの当番医はを探してみると、いくつか当番医はあるものの、電話をすると「内科医しかいないので対応できない」という回答。
直接病院へ行かずに、事前に電話で「マダニにかまれた」ということを伝えた上で、受診できるか確認しておいたのは良かったです。
その後さらに2箇所へ連絡するも、対応できないという返答でした。
ようやく4件目の病院で、整形外科医がいて対応できるということがわかりました。
見てくれる病院があってよかった…早く何とかしてほしい…
ここで 夫Keitanもマダニにかまれていることに気づく
大変なことになった、さて、妻のために病院へ行こうかと言っていたそのとき。
何気なく、自分は大丈夫か?と思った夫Keitanが、自分の腕を見てみると、そこにまさかのマダニ…
妻のために献身的に病院を探していた夫本人も、マダ二にかまれていたことが発覚したのです。
その瞬間、「まだ他にもかまれている可能性があるかも!!!」と、2人とも慌てて全身チェック。
自分には見えない背中もお互いにチェックした結果…
他にもかまれているんじゃない!?全身確認の結果
妻3箇所、夫2箇所… 夫婦で5匹もマダニが付いている(泣)
妻3箇所
夫2箇所
1匹どころではなく、2人で5匹もマダニを付けて帰宅していたのです。
すぐに一緒にキャンプしていた友人へも連絡。幸い、友人は被害がなかったので、良かった…
ようやく見つけた隣の隣の市の病院へ向かうことに
このときも、マダニは体にかみ付いたまま…
この気持ち悪さと、悲しみ、伝わりますでしょうか。
病院でしてくれた処置は「局所麻酔→切開→取る」
整形外科対応という意味がわかりました
お医者さんも、まずはピンセットでつまんで引っ張ってみる。
「うん、かんでいるね」
①局所麻酔の注射
「切開して取り出す必要があるので、局所麻酔します。」
これが痛い。
1箇所だけなら我慢と思いたいところだけれど、それが、2箇所目、3箇所目と続くのです..
②切開
かみ方が浅かった箇所は、比較的簡単に取れたようですがー
1匹は潜り込み状態。
マダニはかんだだけではなく、血を吸い続け、皮膚に潜り込んでいく習性があるのです。
頭がしっかりと潜り込んでいた1匹は、周りの皮膚ごと取り去るという処置になりました。
夫は2箇所とも浅めだったようですが、それでも局所麻酔をして切開。
もう、こんな目には遭いたくない。心の底から思いました。
③抗生物質の薬を処方される
痛みに耐えながらも、お医者さんに処置してもらえて、綺麗に取り去れたので一安心。
お互い感染症による発熱がないか、かまれた部分に異常がないかは、数日様子をみるように伝えられました。
抗生物質(細菌感染を治療するサワシリン錠250)の薬を3日分処方され、ようやく長い1日が終わりました。
- ①初・再診料5,410円と処置580円の30%負担で一人2020円
- ②抗生物質の薬が一人720円
一人2,740円。二人で5,000円を超える医療費がかかってしまいました。
その後の皮膚の状態は?
切開していることもありますが、しばらくは傷跡が残り、触ったらしこりのようなものができていました。
1ヶ月ほどは、ゴロゴロとした感じ。押すとやや痛みもしばらく残りました。
完全にゴロゴロとしたのがなくなるのには、2ヶ月ほどかかりました。
マダニに噛まれたれたら病院へ行ってください
処置後のマダニは生きていた
取り去ったマダニを見ることは勇気がなくてできませんでしたが、お医者さんと看護師さんの会話から、取ったマダニはその時点でも生きていたようです。
頭を切られたマダニも動いていたとか。
想像するだけでザワッとします。
塩攻めの効果はなかったようです。頭を切られたマダニが生きているくらいですから、生命力は高いと思います。
無理に引っ張って取ろうということは危険なので、やめてくださいね!
どこを噛まれたの?
- 妻→首元、耳裏、ふくらはぎ
- 夫→上腕の外側、ふくらはぎ
目の届く場所なら発見がしやすかったかもしれませんが、かまれた場所は、どこも自分の目では見えない場所ばかり。
頭皮にも付いていないか、髪をかき分け探しました。
目に見えるところだと、ほろったりもできますが、死角に入ってしまうと気づけません。
発見後、気持ち悪さもあったので、お風呂に入って髪を洗いました。
頭皮チェックは髪が長いと見つけにくいかもしれません。
かまれたときは痛くないの?
帰宅して目で見つけるまで、全く気づきませんでした。
かまれた瞬間も、噛まれている間も、痛さはありません。
かまれた瞬間には、きっと気づけないと思います。
それよりも、麻酔の注射が痛く、切開したあとの局部もしばらく痛かったです。
経験談が長くなりました。
このような被害に遭わないために、今後どうしたらよいか、マダニ対策について調べてわかったことと経験者が伝えたいことを解説します。
調べてわかった マダニの習性
調べて見てわかったことを簡単にまとめました
- 発生する時期は春から秋
- 動物などが生息する山林、草むらに生息する
- 吸血する前のマダニの大きさは、3〜4mm
- 吸血後のマダニは10~20mm程度まで大きくなる
- マダニの餌は、動物の血
- マダニは一度かみついたら、長時間にわたって吸血し続ける
- 満腹になると自分から離れるが、それまではなかなか離れない
- 血を吸うと大きくなる
- 肌に付いて、すぐにかみ付くわけではない
- 皮膚の柔らかいところを探して移動する
- 野外に生息するのはマダニ
- マダニを媒介する感染症には注意が必要
ペット同伴でキャンプする方も ペットの行動にお気をつけください!
衣服を着用する犬をよく見るようになりましたが、長い毛に付いたマダニを見つけるのは大変。
草むらに入っていくのが好きな犬や猫も被害にあいやすいので、注意してあげてください。
キャンプ中も意識して気をつけよう!【マダニ対策】
【対策①】マダニがいる場所に近づかない 避ける
山林、茂み、マダニが生息してそうな場所に入りこまない
一番の対策は、回避行動。
なるべくなら、生息している可能性が高い場所へ近づかないことです。
【対策②】長袖、長ズボン、皮膚を出さない服装をする
虫対策の鉄則 皮膚の露出をなくす
- 手・腕→長袖、手袋
- 足→靴下、長ズボン
- 首→タオル
- 頭→帽子
私は耳の裏側を噛まれました。フードをすっぽりと被ると良かったでしょうか…
首元は要注意。
靴下も短く、足首が出ているものではなく、足首まで隠れる長めのものがより良いと思います。
★つるつるとした素材の衣類がおすすめ★
天然繊維の衣類よりも、表面がつるつるとした化繊素材の衣類のほうが虫が付きにくいのでおすすめという情報がありました。
虫の足が引っかからない素材の方が良いのかもしれません。
【対策③】全身を入念にほろう
かまれる前に落とせれば問題なし
衣服の中に入り込まれたら気づけません。
皮膚の方へ入り込む前に、落とすことができたら問題はありません。
衣服を着替えたり、お互いに全身をチェックすることをおすすめします。
★マダニは柔らかい場所へ移動して噛む★
「わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)」までよく確認しましょうという資料がありました。
【対策④】入浴が効果的!
全身チェック 洗い流す 着替える
さらに効果的なのが「入浴」。
髪についたマダニがいたら、洗髪することで洗い流すことができます。
これまで登山してきても、被害がなかったのは、下山後すぐに入浴していたからかもしれません。
入浴できないときは、衣服を全て新しいものに着替えることも効果的。
体に付いてから発見までの時間が長くなると、かみつく可能性が高くなってしまうので、心配なときは、お風呂に駆け込みましょう!
【対策⑤】虫除けスプレーなどを使用する
DEET(ディート)やイカリジンという成分を含む虫除け剤には忌避効果が認められています。DEETを含む虫よけ剤の中には、服の上から用いるタイプもあります。
東京都福祉保健局
どれくらい効果があるかわからないので、虫除けがあれば大丈夫ということにはならないと思いますが、効果を期待して、何もしないよりは虫よけを活用するのも良いと思います。
スポンサーリンクマダニにかまれた経験者が伝えたいこと
アウトドアなので、どこにマダニがいてもおかしくない
どこのキャンプ場ですか?という質問が来るかもしれませんが、その場所に行けば必ずいるというわけではないですし、時期的に多く発生していたなどのことが考えられます。
高規格キャンプ場を利用すると、サイトだけではなく、サイト周りまで草刈りされて整備されているので、安心かもしれません。
そういった観点でも小さなお子さんがいるご家族は、ある程度整備されたキャンプ場を選んで利用することも大切だと思います。
自然感満載 野営好みの方は気をつけてください
心当たりは、、、あります。
カメラ機材、動画機材を持って、画角や構図を考えながら、テントサイトの周りをウロウロ。
木と木の間に見えるテントを狙って撮影したり、草越しに見える構図で撮影したいということもあり、私と夫は、比較的キャンプ場の中でもテントサイト以外の茂みを歩くことがしばしば。
今回の場合もサイトではなく、おそらく場内探索をしている途中の道で体にくっついたのだと思います。
整地された道を歩いたので、決してヤブ漕ぎして歩いたわけではなかったのですが…。
長袖、長スボン、帽子は2人とも着ていましたが、靴下は短かった。首にタオルは巻いていませんでした。
対策が甘かったから起きたのだと思います。
私たちは、整備されているキャンプ場よりも、野営感があるキャンプ場が好みで利用しているので、リスクが高いこともあると思います。
また、普段キャンプ中は、サイトに道具を置いたままにして温泉へ行くことは盗難を気にして避けているため、帰宅途中か帰宅後に入浴しています。
温泉へ行くことができないなら、夜のうちに衣類を新しいものに着替えてから寝る、キャンプ後、できるだけ早く入浴するということも必要かもしれません。
これを教訓に、森が近く、草が多い場所での行動には特に気をつけ、できることから対策していこうと思います。
- 虫除けスプレーを入念にかける
- 長袖・長ズボン・帽子を着用(これはしていました)
- 足首までの靴下を履く、茂みに入るなら長靴を履く
- 首にタオルをまく
- 新しい衣類に着替える
- 早めにお風呂に入る
必要以上に怖がる必要はないですが、できる対策はしてください!
色々なサイトで専門家が教えてくれる記事も有益ですが、キャンプ場でのマダニ被害体験談も注意喚起になると思ったので書かせて頂きました。
対策不足の至らなさも恥ずかしいですが、一人でもマダニによる被害者が減ればという思いです。
個人の不注意で、休日に救急病院に駆け込む事になったことも反省しています。
大人でもこの悲しみ。
お子さんやペットも気をつけてあげてください。
気づかない時間が長くなると感染症のリスクも高くなりますし、切開の処置も大変になります。
屋外に虫がいるのは当たり前なので、想定される危険を理解し、気をつけながら、キャンプを楽しんでくださいね!
最後までお読み頂きありがとうございました。
写真を付けるのもためらう記事。文字ばかりで読みづらかったかもしれません。使用した写真で誤解を招くことをしたくなかったので、あえてどの写真も付けませんでした…
100箇所以上もキャンプ場を周り、年間何泊もしていれば確率は高くなるはず。屋外で過ごす時間が長い方は、ぜひ気をつけてくださいね。
参考資料・文献
■マダニによる感染症と症状についてフマキラー株式会社が運営するオウンドメディア)