冬キャンプを初めて4シーズン目。
これまで北海道の雪が積もる12月〜3月にも雪中キャンプを楽しみ、マイナス20℃以下まで気温が下がる日もありました。
暖房器具は、薪ストーブを含めて4台ほど所有しており、それらを使い分けて冬キャンプを楽しんでいます。
しかし、2021年1回目の十勝での冬キャンプ。
これほど結露に悩まされたキャンプは、過去にありませんでした。
この記事では、テントの結露でお悩みの方、結露対策をお考えの方、冬向けのテント選びに悩んでいる方へ、真冬のテント内が結露したらどのようになるのか、実際に起きた事例をもとに結露の原因と対策、対処方法をお伝えします。
また、結露が凍ってしまうのは冬ですが、結露は、年中どの季節でも起こりますので、ぜひこの機会に結露についての知識を高めてくださいね!
✔ テント内の結露の実態
✔ 結露が起きたときの危険性
✔ 結露が起きにくい条件と対策
✔ テント内に結露が起きた時の対処法
✔ テントの生地の重要性
✔ 北海道通年キャンパーのおすすめテント
結露に悩むあなたの参考になれば幸いです!
ここまで結露したのは初めてでした
朝起きたらマイナス7℃で テント内が全て凍っていました…
写真は外気マイナス15.8℃、幕内マイナス5.7℃になっていますが、寒さで目が覚めたときは、マイナス7℃でした。
テントが凍って、全て真っ白!
寝袋のすぐ横にある面も、キラキラしています。
テントの上も、この通り。
そして、3段に重ねていたキッチンラックの上に置いてあったケトルの水も…
凍っていました。
地面に直接置いておいたポットボトルの中身が凍ってしまうことは、過去の冬キャンプでもありましたが、この高さに置いた水まで凍ったのは初めてでした。
今回は、結露するだけでなく、気温がマイナス7℃まで冷え込んだことで、テント内に付いた結露が全て凍結。このような事態になりました。
雑巾で拭くと、凍ったままの板氷がパリパリに取れました。
テント内側に霜がつくだけでなく、下の方は薄氷が張っています。手にとって持てるくらい厚い氷もありました…
さらにこの後が、大惨事!
氷が溶けて、幕がびしゃびしゃに!
幕内温度を上げると、霜と氷が溶けていきます
温かい空気が上に溜まるため、テントの天井から氷が溶け始めました。
放おっておくと、水滴が大きくなって今にも落ちてきそうです。
下には、寝袋やカメラ機材も置いてあるので、濡らすわけにはいきません。
また結露する可能性があるのはわかっているのですが、今拭かないと落ちてきそうなので、急いで拭きました。
朝起きてから30分。朝から、寒さと結露拭きで大忙しです…。
一段落のコーヒータイムも 実は逆効果でした
一段落したので、お湯を沸かして、コーヒーを淹れました。
でもよく考えてみると、これで幕内の温度は上昇し、お湯を沸かすことで湿度も上昇。
一向に、結露が収まる気配はありません。
何度も拭いて、乾燥撤収を目指します
冷気が溜まる地面に近い高さは、撤収する10時頃になってもまだ凍っていました。
氷のまま、下に落ちます。
冬季は、外の空気が乾燥しているので、幕を開いて、長時間置いておくのが◎。少し陽が射してくれたのもラッキーでした。
お陰でスカート以外の結露は、ほとんどなくなりました。
スカート部分は、幕から剥がれ落ちた氷が溶けて濡れていたので、雑巾で拭き取りました。写真がその時の様子。
持ち上げると、比較的簡単に拭くことができます。
滴るほどの水はなくなったので、ゴミ袋にテントを入れて持ち帰りました。
家についてからは、もう一度部屋にテントを広げて、乾かしましたよ!
結露ができる原因は、湿度と気温差
気温差が大きいと50%以下でも結露発生!
幕内外が同じ気温のときは結露しません
温度差がない場合は、結露は発生しません。
そして温度差が大きくなるほど、湿度が低めでも結露が発生してしまいます。
特に冬キャンプでは、幕内の温度が簡単に10℃以上になってしまうため、結露が起きやすいということが言えます。
しかし、冬キャンプに限らず、朝晩の温度差でも結露が起きるため、年中結露に悩まされているという方もいるのではないでしょうか。
結露を起こさせないためには?
上の図をみてわかるように、結露対策では下の2つが重要になります。
- テント内外の温度差を大きくしない
- テント内の湿度を上げない
寒い季節に、あまりテント内を温めないというのは現実的ではないので、幕内の湿度上昇を防ぐ対策が有効です。
通気性が重要です
そこで効果的なのが、テント生地の通気性です。
通気性に優れた生地は、水蒸気も空気も通します。つまり、通気性が高い生地のテントは、結露しにくいのです!
4年以上キャンプをしてきましたが、通気性の高いTC素材(ポリコットン)のテントを使ってキャンプしていたので、結露に悩まされたことはありませんでした。
記事後半には、結露が起きにくい「おすすめのTCテント」もご紹介します。
結露が起きにくい、通気性のよいTCテントを選ぶ。
【6つの結露対策】結露させないための対策方法は?
結露の原因から、①温度差を大きくしない、②湿度を高くしないの2つを抑えて、キャンプすることを目指します。
対策① 幕内外の温度差を大きくしない
テントの中を必要以上に高くしない
先程紹介した結露の仕組みにあったように、気温差3℃なら、湿度が80%まで高くならないと、結露は発生しません。
幕内で過ごす時間が長くなると、人の呼吸やストーブの使用、調理などで、どんどん湿度が上昇します。
防寒着やシュラフなどの防寒対策をしっかりとして、テント内を必要以上に温めないというのが1つの対策方法。
寒いですが、外で過ごす
外の焚き火で体を温めながら、寒さも楽しんでみませんか?
テントに籠もらず、テント内の気温も上げない
それが実は、究極の結露対策かもしれませんね。
対策② 水分を発生しない電気アイテムで防寒する
灯油ストーブは湿度を上げる
私が愛用している、武井バーナー、マナスル、トヨトミレインボーストーブ、どれも灯油ストーブで、これらは熱と一緒に水蒸気を放出します。
ストーブを使えば乾燥すると思う方も多いかもしれませんが、それはエアコンやファンヒーターなどの暖房の場合。
灯油ストーブにケトルを載せて加湿する方もいますが、灯油ストーブは燃焼させるだけでも、加湿するんですよ!
ポータブル電源や電源サイトを活用して電気で暖まる
電気カーペットや電気毛布、電気ファンヒーターは水蒸気を発生させないので、幕内の湿度を上げずに温まることができます。
その代わりに、電源サイトの予約や、大容量のポータブル電源が必要になります。
対策③ テントのベンチレーションで外の空気を取り込む
テント上部にあるベンチレーションを開けます。
冬季は外気が乾燥しているため、幕内の換気を行うことで、室内の水蒸気量を減らすことができます。
暖房器具を幕内で使用する場合も、必ずベンチレーションを開けなければいけません。
幕内の温度が暖まらなくなってしまいますが、常にベンチレーションを開けたり、入り口を開放するなどして、幕内の湿度を下げるようにしてください。
対策④ サーキュレーターでテント内の空気を循環させる
暖房などで温められた空気は、テント上部に溜まります。
幕内の温度をできるだけ均一にするため、サーキュレーターやストーブファンなどで空気を循環させますが、実は、空気循環も結露対策に有効な方法の1つです。
結露は、空気が滞った場所で発生しやすいため、幕内の風通しを良くすることで結露の発生を防ぐことができます。
上の部分だけでも結露を発生させたくないなら、テント上部に集中的に風を当てると効果的です。
スノーピークのフィールドファンは、AC電源でもマキタの充電バッテリーでも作動するタイプで、アウトドアでも非常に便利です。
小型のサーキュレーターよりもパワーがあり、夏も冬も私のキャンプには欠かせないアイテムです。
ストーブファンは、熱伝導でファンが回転するエコタイプ。
薪ストーブや灯油ストーブの上に載せて使うため、場所が限定されますが、充電や電源が必要ないエコタイプなので、おすすめですよ!
複数個のサーキュレーターや強制換気も効果的
これらの換気アイテムを複数使いすると、テント内の空気が滞ることはありませんね。お悩みの方におすすめです。
対策⑤ 湿度上昇を促す調理時間をなるべく短くする
冬キャンプでは、鍋などの温かい料理で身体を温めることが多いと思います。
料理から立ち上る湯気。美味しそうですよね。
しかし、長時間煮込む料理などでは、幕内の湿度を上げることになります。
温度管理に目が行きがちな結露対策ですが、湿度の%を上げないよう徹底すると効果ありですよ!
吊り下げ型の除湿シートを活用する人も
吊り下げ型の除雪シートをテントの各所に配置。
どうしてもテント内の結露が気になるという方は、こちらのアイテムで万全な対策を!
対策⑥ 通気性が高いTC素材のテントを使用する!!
ポリコットン(TC)生地は通気性が◎
TCとは、テトロン(ポリエステルの商標)のTと コットンのCの頭文字を組み合わせたもので、ポリエステルとコットンが混ざった「ポリコットン」を指します。
ポリコットン(TC)生地のメリット
綿とポリエステルの異なる繊維のブレンドは、両方のそれぞれの利点を組み合わせるために製造されます。 綿100%は優れた通気性を持ちますが、ポリエステルよりも高価で耐久性もありません。 一方、ポリエステルは通気性がまったくありませんが、耐久性に優れており、しわになりにくく裂けにくい傾向があります。 また、安価な繊維です。 それぞれの利点を組み合わせることにより、綿とポリエステルの良い特性を備えたハイブリッドな糸が作成されることになります。
コントラードHPより
最終形のポリコットンは、柔らかく、快適で、柔軟性があり、通気性を備えた素材です。 引裂き抵抗があり、毛玉や静電気が発生しにくく、キャンバスなどの耐摩耗性のある生地にすることが可能です。 また、ポリコットンはコットン100%よりも安価であり、用途に応じて各々の割合が変わる繊維が存在します。
今回のキャンプでの一番の教訓は、「TCテントの優秀さ」でした。
ヘリノックスタクティカルVタープが採用する75Dリップストップポリエステル185T、210Tの生地は、耐水圧(1,500mm)が非常に優れた生地です。
雨の日でも安心な素材なのですが、耐水圧が高いデメリットは、実は通気性が悪く、結露の原因となることでした。
遮光性が高い生地なので、気温差が少ない夏におすすめのテントです。
TCテントは、保温性にも優れています!
これまで、何度も幕内温度20℃差、30℃差になるほどテントの中を温め、ぬくぬくと冬キャンプを楽しんできました。
しかし、今回のように朝起きて、マイナス7℃まで下がったことは、過去にありませんでした。
通気性がよく、結露がしにくかったことと、保温効果があることで、凍結することもありませんでした。
冬キャンプで寒さが気になるという方も、TC素材のテントは非常におすすめですよ!
その他の設営前に注意したいこと
地面が濡れている場所に設営するのと、乾燥している場所に設営するのでも大きく異なります。
少しでも乾燥している天候やサイトを選んで利用したいですね。
- 湿度の高い雨の日や雪の日にキャンプに行かない
- 湿度が高い河原のキャンプ場を避ける
- なるべく地面が乾いている場所を選ぶ
同じキャンプ場の中でも、芝生が濡れいてる場所と、乾いた土の上では、違いが出ますよ!
【対応編】結露した時の対処法は?
テント内が結露したら特に注意すべきことは
- 着ている衣服を濡らさない
- シュラフ(寝袋)を濡らさない
- キャンプ道具を濡らさない
衣服やシュラフを濡らしてしまうと、大変なことに!
衣服が濡れると身体が冷えて、冬キャンプでは体温が奪われるという危険な状態。
シュラフは一度濡れてしまうと乾きにくいので、しっかりと乾くまでは使えなくなってしまいます。
撥水性のあるシュラフを選ぶことも重要ですが、濡れないように細心の注意が必要です。
対処法① シュラフなどをテントと触れないように気をつける
朝晩の温度変化でテントの内側の面が結露する可能性があるので、寝る前に、コットやシュラフ(寝袋)がテントに接地していないか、確認してください。
少しでもテントに付いていると、テントの水分がシュラフに染み込んでしまうので、要注意。
寝ている最中に多少動いてしまっても、テントに触れない程度にコットとテントの間を開けておくことが大事です。
※撥水性が気になるシュラフをお使いの方は、シュラフカバーの併用もおすすめですよ。保温効果も向上します。
対処法② 落ちてきそうな水滴を拭き取る
キャンプにいつも雑巾は持参していますか?
乾燥を待たずに、厚手のタオルで結露を拭き取らなければいけないかもしれません。
このタオルも朝起きたら凍ってしまいました…
吸水性の高いタオルがあると安心ですね。
対処法③ 暖房機器を使って乾燥を促す
幕内温度を上げて、乾燥させる
春先や秋の寒暖差の大きい時期も、いつも暖房があれば、撤収までにはカラッと乾燥していました。
幕内温度を上げて乾燥させるのは、ある程度湿度が低い時の対処法。
温度差が大きくなると結露することもあるので、ご注意ください。
※幕内で暖房器具を使うときは、換気に十分注意し、複数の一酸化炭素警報機をご用意ください。
【番外編】気温差が大きくなる冬にはキャンプをしない…
結露が大変だから、冬キャンプをしないという方もいらっしゃるようです。
テント内に結露ができて、幕が濡れたら、家に持ち帰って乾燥させるのも大変。
滴るほどの水を含んだテントは重く、部屋にも干せず、お風呂場に干さなければいけないかもしれません。
冬キャンプの大敵は、寒さだけではなく、「結露」もなんですよ!
これまで使用してきたTCテントは、やっぱり優秀だった!
冬キャンプにおすすめは、TCテントです!
ポリコットン素材のテントは、ポリエステル素材のテントの比べ、生地が厚く、重いのがデメリットです。
雨で濡れた後は、水を含んでとても重くなります。
しかし、風合いの良さや、通気性のよさ、難燃性を加味しても、非常に使いやすいです。
しっかりと乾燥させれば、カビることもなく、何年も劣化することなく使用できる丈夫な生地です。
寒い地域では、保温性が高いのは大きなポイント。
スカートありのテントを選べば、通年で快適にキャンプすることができますよ!
テンマクデザイン サーカスTC
キャンプ本格的に始めたときに購入したテント、サーカスTC。
ワンポールなので、設営が簡単。TC素材ですが、比較的コンパクトに収納でき、ソロキャンプにも人気の幕です。
こちらの記事で紹介しています
ニーモ ヘキサライトエレメント6P
薪ストーブを購入してから、二人でサーカスTCが少し手狭に感じてきたので購入したのが、こちらのニーモヘキサライトエレメント6P。
ポリエステル素材のニーモヘキサライトもあるのですが、冬キャンプで使用したかったのと、薪ストーブ使用時の難燃性も考えて、TC素材のものを選んで購入しました。
こちらの記事で紹介しています
サバティカルスカイパイロットTC
サバティカルスカイパイロットTCは、かなり大きいため、積雪期には使用していませんが、このテントもTC素材。
中に、テントインテントをして冬も使用する方もいます。
人気幕のため、発売後、予約抽選販売になっており、手に入りにくい状況が続いています。
冬キャンプで人気の幕は?
InstagramやTwitterの冬キャンプ投稿を見ると、コットンテントやTC素材のテントを使用している比率が夏よりもずっと高いことがわかります。
この中で、冬キャンプでよく見かけるテントはありませんか?
結露するのは、冬キャンプだけではありません!
朝晩の寒暖差で朝露・夜露が発生!
この記事を読んでいる方の中には、冬キャンプではない場面で結露に悩んでいるという方もいるかもしれません。
寒暖差の大きい冬以外の季節でも、十分結露が起きる可能性があります。
地面に接地しているテントスカートが濡れいているのは、どの季節も当たり前に起きていますよね。
まだしたことがなかった対策はありましたか?
役に立つおすすめアイテムもご紹介しましたので、次のキャンプまでに、ぜひ結露対策をしてみてくださいね!
テントの種類で、こんなにも違うのかと痛感した冬キャンプでした。結露でお悩みの方の参考になれば、幸いです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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実際のテント凍結の様子は、こちらのYouTubeでも紹介しています
気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね!
ヘリノックスタクティカルVタープもおすすめテントです!
耐水圧に優れたテント 結露しやすい冬を避けて使います!
インナーテントは使わずに、フロアレスで使用。
4本のポールで自立するテントは、軽くて設営が簡単です。
高さが2m以上あり、テント内の空間が非常に広いのが特徴で、気に入って使っていますよ!